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第27回 浜の川[長崎]

第27回 浜の川[長崎]

ー Hamanokawa, Nagasaki

島原には数多くの湧水が見られる。浜の川湧水はそのなかでも代表的な存在で、地域生活になくてはならない水資源だ。4つの区画に区切られた洗い場は、水源に近い順から飲用・食品食器の洗浄用・洗濯用…… と細かく利用区分が決められており、ていねいに使われている。また水利用だけでなく文字通りの井戸端会議もおこなわれており、地域の貴重なコミュニティスペースになっているといえよう。このような湧水が島原に多く湧き出したのは、じつは1792年の雲仙岳噴火に伴う群発地震による地殻変動がきっかけだった。この噴火災害では島原の目の前にそびえる眉山が崩壊し、城下町を埋め尽くしながら有明海に土砂が流出した。その土砂の衝撃によって発生した津波は、島原のみならず天草はじめ有明海沿岸を襲い、1万人以上の死者を出したといわれている。今日まで受け継がれてきたこの生活資源は、かつての災害がもたらしたものだったのだ。人間は自然の恩恵を享受しなければ生活できない。しかしそれは自然の脅威と常に隣り合わせになることを意味する。未曾有の災害となった東北関東大震災は、いまだにその被害の全容すら明らかになっていない。日本復興にむけて、我々は長く辛い戦いに挑まなければならないが、それはきっと子孫の糧となるはずだ。先人の遺したものをかみしめ、前を向いて歩いていきたい。

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