鈴木芳雄がおすすめする7作品

- KIRISHIMA OPEN-AIR MUSEUM, Kagoshima

2000年10月に開館した「霧島アートの森」は、鹿児島県・霧島山麓の標高約700m、約13haという広大な敷地に位置する現代彫刻を展示した野外美術館。草間彌生やダニ・カラヴァン、アントニー・ゴームリー、 チェ・ジョンファ、若林 奮、ジョナサン・ボロフスキーなどアーティスト自身が霧島を訪れ、構想・制作した22の野外作品を展示している。室内では青木野枝、オノ・ヨーコ、ナムジュン・パイク、村上隆、ラヴィンダル・G.レッディなどのコレクション展を開催。また年に数回開催される企画展は、岡本太郎や草間彌生ら大御所のみならず、蜷川実花や鴻池朋子など若手作家の大規模な個展も注目を集めている。
今回は野外展示作品の中から、ナビゲーターである鈴木芳雄がセレクトしたおすすめの7作品を中心に紹介。「初めて訪れたのですが、素晴らしい美術館だと思いました。イギリスのヨークシャー彫刻庭園やベネッセアートサイト直島など、近年は自然とともに展示する美術館が増えています。ここでは、霧島公園に自生する200種類以上の植物や鹿・猪・野鳥などの自然にも触れることができる。決して交通の便がいいとはいえないものの、年に10万人以上が来園しています。常設展だけでなく、企画展にも力を入れている所も『霧島アートの森』の魅力のひとつといえるでしょう」

 

「シャングリラの華」草間彌生

日本[長野県]/セメント・強化プラスチックなど

水玉モチーフで有名な前衛芸術家・草間彌生による、"不老不死の桃源郷に色あざやかに咲きほこる花" をテーマにした作品。「ArtsTowadaプロジェクトの一貫で十和田美術館の広場に設置された野外インスタレーション《愛はとこしえ 十和田でうたう》やベネッセアートサイト直島の《南瓜》など、草間さんの野外彫刻は日本各地にありますが、これほど大きなサイズの作品は珍しい。美術館の入り口にそびえる、アートの世界への目印になっています」

「気流-風になるとき」西野康造

日本[兵庫県]/鉄・チタン合金

“太古から流れる悠久の記憶を感知する”というコンセプトのもと、透明感のある作品を作る彫刻家・西野康造。「芝生の中でひときわ目を引きますね。動く彫刻はあまり好きではないのですが、この作品はすごく格好いい。パウル・クレーやヤン・ファーブルなどの“天使”をモチーフにした作品を思い起こさせます」。脚部分には大地と繋がるような錆びた鉄を用い、また金属線を繋ぎ合わせた繊細な翼は、わずかな風にも敏感に反応し生き物のように動く。

「あなたこそアート」チェ・ジョンファ

韓国/強化プラスチック・風景・人物など

カラフルでキッチュなモチーフをスケール感のある立体作品へと変化させる韓国のアーティスト、チェ・ジョンファ。芝生の上には、大きくデフォルメされた8点の絵の額縁を展示した。「チェ・ジョンファは、記念写真を撮らせるのが上手い作品を作りますよね。大人だけでなく子どもにも人気ですし、十和田市現代美術館にも作品がありますが、野外彫刻の展示には欠かせない作家です」。霧島の風景とともに、自分自身も絵の中に入ることができる体験型の作品。


other features

ページトップへ戻る

Follow us!