鈴木芳雄がおすすめする7作品

- KIRISHIMA OPEN-AIR MUSEUM, Kagoshima

 

「男と女」ジョナサン・ボロフスキー

アメリカ/スティール鋼

東京オペラシティにある《シンギングマン》や名古屋市美術館の《ハンマリングマン》をはじめ、巨人の彫刻やウォールペインティングなどで知られるアメリカ現代美術界の巨匠、ジョナサン・ボロフスキーの作品。「山全体が霧に覆われ、その霧の中から浮かび上がったシルエットは、森に住む巨人のようで幻想的でした。近づいてみると男女が交差していることがわかります。さらに、男が桜島に向いているというのも、ボロフスキーの哲学が現れています」

「インサイダー」アントニー・ゴームリー

イギリス/鉄・樹林

人間の体を題材にした作品を多く制作しているイギリスの彫刻家、アントニー・ゴームリー。本作は、作家自身が霧島の森で見つけたという細い木にインスパイアされて制作された。「森の中にあるという設定を見事に生かした作品です。ゴームリーは自身の姿を象った彫刻を作りますが、この作品はシルエットが細く、自然と他の木々にとけ込んでいる。鬱蒼とした森の中で、間違い探しのように5体を見つけ出すという仕掛けも楽しいですね」

「ベレシート(初めに)」ダニ・カラヴァン

イスラエル/鉄・風景

環境との調和を生かした野外作品で知られるイスラエルの彫刻家、ダニ・カラヴァン。「札幌芸術の森にある《隠された庭への道》など、日本の美術館にもガラヴァンの作品はありますが、これほど大規模な作品は他にないでしょう。彫刻は眺めるだけではなく、中に入り一体化することも重要。霧島山の地形を上手く利用した、とても贅沢な作品です」。トンネルの入り口からのぞいたときの明暗と、山から突き出した先端に立った時に見えるパノラマの広がりは圧巻。

「森の観測所」カサグランデ&リンターラ

フィンランド/鉄筋コンクリート・砂利

フィンランド出身のアーティスト、カサグランデ&リンターラは、横浜トリエンナーレや越後妻有アートトリエンナーレなどにも建築家グループとして参加している。本作の白壁に囲まれた内部の庭は、調音された密閉型音響室になっている。「道から少し外れているので、ここに座って鳥の声を聞いたり、ゆっくり本を読んでみたいですね。壁に写し出される木漏れ日も美しい。“自然の様々な音を収集し、停泊させ、知覚する”という考え方も面白いです」


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