うなぎ処 鰻楽

- Miyazaki-city, Miyazaki

口福のうなぎしゃぶしゃぶを食べに「うなぎ処 鰻楽」へ

絶品!と、噂の聞こえてくる「うなぎ処 鰻楽」のうなぎしゃぶしゃぶ。老舗の「大森淡水」が経営する、うなぎ料理専門店の名物メニューだ。代表であり、大森淡水の5代目である、大森龍太郎さんは「APONTE」の顧客で、トモさんの友人でもある。これまではトモさん、そのおいしさを何度となく聞かされ、憧れていた。それが、今回の旅の中で初めて訪問が実現。期待に胸がふくらむ。
市街を抜け、風雅な門構えの「うなぎ処 鰻楽」に到着。なんと、駐車場まで、大森さんが迎えにきてくれている。そして宮崎での再会を祝って、ハグ!「とにかく、おいしいうなぎ食べさせますから」と、思いは熱い。

宮崎県は、うなぎの稚魚の養殖で全国第3位。古くは天然のうなぎも豊富で、宮崎県人は実は、相当なうなぎ好きなのである。そのクオリティの高さを知ってもらうには、全国へ名が轟く本格的なうなぎ料理の店を作るしかないと、大森さんは一念発起、3年前に広大な敷地内の一角に、新潟県山古志村から移築した築300年の古民家を組み直した、和モダンな店を開いた。

品のいいうざく。きゅうりとは出会いもの。600円

肝焼き。苦味が少なく、鶏のレバーのよう。600円

表面はパリッ、中はふっくらジューシーに焼きあがった蒲焼き。ご飯、肝吸いがついたうな重で 1850円

数々のうなぎ料理に舌鼓

開放感あふれる庭を眺めながら、個室で「うなぎ処 鰻楽」自慢の鰻づくしをいただく。まず一皿めが「白焼き」。「うーん、身がぷりぷり!」と感激するトモさん。ふっくらとしながらも、コシのある身質は、いままで食べたことのない食感。次の、きゅうりと白焼に土佐酢をかけた「うざく」はさっぱりと心地よい。続いて鰻の肝焼き。「ほろ苦みがいいですねえ」。そしていよいようなぎの蒲焼き。「甘さを控えたたれが、上質なうなぎの身を引き立て、とってもおいしいです。正直、今まで食べたかば焼きの中で一番好きかも!」とご満悦。そして、真打ち登場、うなぎしゃぶしゃぶだ。最上級の国産の昆布で丁寧にとっただしをくつくつと煮立て、一口大に切ったうなぎを、さっとだしの中でくゆらせる。すると、うなぎの身が、だしの滋味をたっぷり含んでふっくらと花開く。そのまま口に運べば、うっとり! 橙やかぼすを搾り、醤油を加えてねかせた、キレのいい自家製ポン酢につけて食べても、また抜群。「店をやるからには、ここでなければ食べられない、オリジナルの料理を作りたかったんですね。うちの鰻の質と、立地条件を最も生かせるメニューは?と考え、しゃぶしゃぶに行き着きました」と大森さん。「前菜から蒲焼きまで、こんなにうなぎをいただいたあとでも、すいすい入ってしまうのは、脂の質がいいからですね」とトモさんも感心しきりだ。

しゃぶしゃぶのうなぎは、皮を霜降りしてから鱧のように骨切りしたもの。

上等な昆布だしの中でさっと火を通して食べる。次第にだしも濃厚に。1人前 3150円

うなぎの旨みがすっかり出ただしで作る雑炊がまた絶品。たっぷりの三つ葉と。


地下水と良質な餌が
おいしさの秘密

「さっと火を通しただけで食べる、しゃぶしゃぶはごまかしがききません。とにかく、うなぎの質が大切」と、大森さん。大森淡水では、海や川でとれた天然のうなぎの稚魚を、なるべく自然に近い環境で育てている。ポイントとなるのが、敷地内で汲み上げる良質な地下水だ。清らかな水の中で育つことが何より大切なのだという。そして、身質と味を決める餌は、天然の魚粉を原料とした飼料に、乾燥グァバの葉を配合したもの。上質なたんぱく質を摂取しながら、特有のくさみが軽減されるよう、工夫されている。養殖場に直結しているという恵まれた立地に加え、独自の飼料で育てる、脂はあっさりと品がよく、かつ身は滋味豊かなうなぎゆえ、しゃぶしゃぶでこんなにおいしく食べられるのだ。

おいしさを増す、焼きの秘密は "こなし"

白焼きも、かば焼きも、大変に気に入ったトモさん。「歯ごたえがあるのに、ふっくらと柔らかいのはなぜ?」と大森さんに聞けば、「南九州は暖かいので、うなぎの身が締まることがないんですね。それで関東風に蒸しを入れる必要がありません。直火で香ばしく焼くことで持ち味を最大限に生かすことができるのです。では、焼くところをお見せしましょう」と厨房に案内してくれた。
まずは裂き。目打ちをし、腹から一気に割いて内臓を取り出し、骨をすきとり、開く。その間、ものの30秒の早ワザだ。そうして、5尾ほどを鉄串に刺し、赤々とおこった炭の上に並べる。途中脂がでてきたら、串を持ち上げ、左右にくねらせるように動かしながら、うなぎの身をもむ。この作業は古くからあるもので「こなし」という。もむことで、身が柔らかくなると同時に、内側にある脂が外側ににじみ出て、うなぎ自身の脂でカリッと焼き上がる。だから、「うなぎ処 鰻楽」のうなぎは、蒸しを入れない直焼きなのに、身がふんわりとやわらかいのだ。さらに、じっくりねかせた自慢のたれをざっとかけ、こんがりと炙るという作業を3回ほど繰り返して焼き上げる。これで蒲焼きの出来上がり。「こなしという作業、初めて見ました。先人の知恵には脱帽ですね」と、感心しきりのトモさんだった。

目の部分にくいを打ち込んで固定し、のどの下から、腹を一気に切り割く。

腹から開き、内臓を取り除き、骨をすき取る。

内臓も骨も除き、きれいに掃除をして、おろし作業完成。1尾たったの30秒!

5尾ずつ並べて鉄串に刺して焼く。熱くなった鉄で身の内側からも火が入る。

表面に脂がにじんできたら持ち上げ、両手でくねらせながら「こなす」。

継ぎ足しながら使用して、まろやかに熟成したたれをまんべんなくかける。

工場拝見

大森龍太郎さんから、眼下に広がる鰻の養殖場の説明を聞くトモさん。

せっかくなので、養殖場と鰻の蒲焼きの工場も案内してもらった。広大な敷地に建つ、近代的な工場の中では、全国へ出荷されるうなぎの蒲焼きの生産がおこなわれている。職人の手作業によって、1時間に1人250本以上のうなぎが背開きでおろされていく。作業の様子が2階の廊下から見えるが、まさにマシーン。その正確さや速度にはただただ驚くばかりだ。そうして人力によって的確におろされたうなぎはまず蒸され、ラインに乗って炭火で焼かれ、さらに何度かたれをつけながら、関東風の蒲焼きに焼き上げられていく。
工場の屋上へ上がると、気持ちのよい風がふいている。眼下に見える、一面のビニールハウスのような施設、実はこれがすべてうなぎの養殖場。中の水槽ではうなぎがのんびりと泳いでいる。その養殖槽が延々1.5kmも続いているというのだから、規模はとてつもない。余裕のある恵まれた環境でのうなぎづくり、うなぎもおいしくなるわけだ。

今回、トモさんが取り寄せたのは、うなぎ白焼きとうなぎ蒲焼き。
渾身のレシピに乞ご期待!

From Producer
大森龍太郎さん

代々うなぎを扱う家に生まれ、今思うのは、ビジネスとして成功するだけではだめ、ということ。食文化としてのうなぎを後世に残していくことが、いちばんの使命なのだと、最近は強く感じています。そのためにすべきことのひとつは、資源としての鰻の確保です。枯渇しないよう、上手に育てながら、使用していく。それも、より天然に近い形での養殖を目指しています。そして、もうひとつが食育。子供のころからおいしいうなぎを食べさせ、体に覚えさせれば、食文化を守っていくことができるはずです。だから定期的に、幼稚園や小学校にも、食べさせに行っていますよ。

Profile
大森龍太郎(おおもり・りゅうたろう)●大学を卒業後、マーケティングを勉強。家業の大森淡水を継ぎ、より品質の高い鰻の養殖、製品としての、蒲焼き作りを目指す。2008年に「うなぎ処 鰻楽」をオープン。伝統としてのうなぎの食文化を大切にする一方、将来的には、海外への輸出も視野に入れたグローバルな展開も目指す。

Tomo's Comment
「驚き!というのが正直な感想。話には聞いていましたが、ここまでおいしいとは! もともと、うなぎは大好きでしたが、調理法の可能性も含め、見方が変わりました。商品として取り寄せられる蒲焼きは関東風の蒸しを入れるスタイルですが、特別にお店の白焼きを冷凍して送ってもらうことができるとは、嬉しいですね。これはおおいに活躍しそうです」

うなぎ処 鰻楽

宮崎県宮崎市塩路2300

tel 0985-65-6600
fax 0985-65-6699

www.manraku.net


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