太宰府天満宮

- Dazaifu-city, Fukuoka

福岡県太宰府市に位置する太宰府天満宮。菅原道真公(天神様)を祭神として祀る天満宮の総本宮であり、日本全国から毎年およそ700万人が参詣に訪れている。その太宰府天満宮では、2006年からアートプログラムを開催。日比野克彦や小沢剛などの作家を招き、歴史の記憶を宿す太宰府の地から新たな文化の可能性に挑戦している。
現在はアートプログラムの第6弾として、イギリス出身のアーティスト、ライアン・ガンダーの個展 ‘You have my word’ を開催。太宰府天満宮でのリサーチを重ねてつくりあげた新作8点を発表している。太宰府に訪れるのはおよそ20年ぶりという鈴木氏は、ガンダー作品の設置マップを手に、梅が香る境内の中に配されたインスタレーションや彫刻作品などを鑑賞した。

過去・現在・未来の「三世一念」という仏教思想を現した三つの太鼓橋。

「ガンダーの作品は、大人だけでなく子どもも楽しむことができます。なおかつ、現代美術ファンにとっても、深読みできるような“仕掛け”が随所に散りばめられていますよね。考えに考え抜いた結果、実際にはシンプルな作品となるのですが、その裏にあるメッセージはとても深い。見る者に考えさせる余地と面白さを与えてくれます。ガンダーの思考は『禅』のようにシンプルで奥深く、東洋的だと思います。
宝物殿に展示されているガラスケースの作品《Consequence of evidence》は、学術標本と現代アートを並べて展示していた『マーク・ダイオンの驚異の部屋』(東京大学総合研究博物館)を思い起こさせます。本展を主催した太宰府天満宮の権宮司・西高辻さんも、マーク・ダイオン展に関わっていたとお聞きし、共通点があることに納得しました。既存の国宝などが並ぶ常設展に現代アートを展示する方法としては、ゲリラ的に展示するバンクシーのようなやり方もあり、一方でガンダーのようなストレートなやり方もできる。非常に面白いと思います。そういうチャンスをアーティストと見学者双方に与えている太宰府天満宮は素晴らしいですね。もちろん西高辻さんが神道と現代美術の両方を、深く理解しているからできることだと思います。

学芸員のアンダーソン依里さんの案内で、梅の咲く境内を巡る。

現代美術は『見る』『感じる』『考える』などいろいろな形で体験できるものです。宝物殿内の部屋をまるごと使ったインスタレーション《As reliable as change》は、ガンダーの中でも異色な『感じる』タイプの作品だと思います。作品の振り幅が広いのも、ガンダーの特徴です。たった一人の思考でこんなにも多様な表現ができることに驚き、実はガンダーはグループなのではないかと疑ったことがあるんです(笑)。その多様性を本人自身も面白がっているようだし、今回の展示でもガンダーならではの、表現の幅を感じることができました」

桃山時代の豪壮華麗な様式で構成され、国の重要文化財に指定されている御本殿。

奉納され、絵馬堂にかけられているマイケル・リンの絵馬。

樹齢1000年を越えるという国指定天然記念物の大樟。

誠心館に展示された、日本画家・神戸智行の作品。アートプログラム 第7弾として、今年12月から来年5月にかけて個展を開催予定。

菅原道真の40代目の子孫であり、太宰府天満宮の権宮司・西高辻信宏さん。

太宰府天満宮参拝のお宮下(おみやげ)として人気の「梅ヶ枝餅」。



太宰府天満宮

福岡県太宰府市宰府4-7-1号
tel 092-922-8225[代表]

福岡空港からタクシーで約30分
西鉄 天神大牟田線二日市駅下車
西鉄 太宰府線へ乗り換え、太宰府駅下車、徒歩5分
九州縦貫自動車道・太宰府ICから車で約15分

www.dazaifutenmangu.or.jp

九州国立博物館

福岡県太宰府市石坂4-7-2
tel 092-918-2807[代表]

開館時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
観覧料:一般420円、大学生130円

www.kyuhaku.jp

"フクヘン" こと元BRUTUS副編集長、鈴木芳雄が案内する九州のアート ART in KYUSHU

第一回 霧島アートの森[前編]

第ニ回 熊本市現代美術館

第三回 霧島アートの森[後編]

other features

ページトップへ戻る

Follow us!