藤井からすみ店[からすみの最高峰]

- Nagasaki-city, Nagasaki

長崎といえば、なんといっても名産はからすみ。本場の最高峰のからすみを食べるのが、今回の長崎探訪の目的の一つ、なーんていうほど、からすみには目がないトモさん。
最高級のからすみを作り続ける名店として紹介された「藤井からすみ」を楽しみに訪れた。

からすみの歴史と長崎が名産のわけ

からすみとは、ご存知の通り、ぼらの卵巣を塩蔵してから干し上げた珍味だ。海の幸に恵まれた日本ならではの特産品だと思っていたら、400年ほど前に中国より渡来したものだという。墨の形に似ているので、唐の墨、つまり、からすみというわけだ。しかし実は、ルーツは渡来先の中国ではなく、紀元前のギリシアまで遡る。イタリアへ受け継がれ、シルクロードを通って、中国へ伝来した。イタリアンレストランでときどき登場するボッタルガは、実は、大先輩だったのである。これにはトモさんもびっくり。「日本が誇る和の珍味だと思っていたのに……。ギリシア人もローマ人も食いしん坊なんですね」
長崎では、10月下旬から11下旬にかけて、産卵のためにボラの大群が野母崎から松浦までの五島灘沖を訪れる。そのボラの卵巣(真子)を利用してのからすみ製造作りが根付いたというわけだ。そして、類まれなる美味は、地方の特産品というだけではなく、通人の好む酒肴として、全国的にその名を知られるようになっていった。

藤井からすみ店のからすみが
おいしい理由

藤井からすみは創業80年。現社長で3代目。長崎のからすみ製造店の中でも、特に美味しいと評価の高い一つの所以は、贅沢に厚みをもって仕上げるところにある。一般のからすみ屋さんは、大きく見せるために、平たく干し上げる。が、それでは、高級割烹でいただくように、ぶつぶつと垂直には切れない。藤井からすみでは、その厚みからくる、みっちりと凝縮した濃厚な旨みと贅沢感を何より大切にしている。さっそく、ぶつっと切って一切れ食べさせてもらったトモさん「うーん、たまらない~」。
この、ねっとりと濃厚な舌触りから、絶妙な塩加減まで、丁寧な手作りの賜物であることは言うまでもないが、さらなる美味を求めれば、国産のぼらに行き着く。長崎沖でとれるぼらの真子が甘みがあっておいしいのは、えさとなるかじめという海藻が豊富なことによるのだとか。よって脂ののりが違い、味わいも色も濃く仕上がる。だから、「藤井からすみ店」では、佐世保の漁師が獲ったすぐを船上で処理した真子を仕入れる。オーストラリア産などの輸入もののぼらの卵でも製造しているが、値段は、長崎産で100g 12,000円、 輸入もので100g 8,000円と、1.5倍。比べれば、どうしても輸入ものは大味であることは否めない。ただ、色の差は、国産か輸入かの違いではなく、個体差。最初から赤みが強いものはワインレッドに仕上がり、より濃厚でおいしいも言われる。

渾身のからすみ作りを拝見

いよいよ、渾身のからすみ作りの工程を見せてもらう。船上で冷凍された真子をまず解凍し、濃い塩水に7日間ほど浸ける。塩は、長崎県の崎戸の海水塩を使用。ミネラル分が多いから旨み分豊かで、浸透圧も高く、浸透が速い。その後、真水に1日ほど浸けて、ほどよく塩が抜けたら、次は干す工程だ。板の上に並べ、一昼夜、温風を当てる。その昔は、海風に当てながら自然に乾燥させたが、どうしても菌がつきやすいので、今はもっぱら温風乾燥だ。
その後、冷風を当てつつ、1時間ごとにひっくり返しながら、2ヶ月かけてじっくり干し上げる。最初は長さ30cmほどあつた大きな真子が少しずつ収縮し、最終的には15cm長さで3cm厚さほどになる。このように旨み成分を残したまま干し上げるのが、藤井からすみの最大の魅力なのだ。

1.皮がついているのが、新鮮な真子を処理している証。
2.1週間、飽和塩水に浸ける。塩分濃度が20度になればOK。
3.次は真水で塩抜き。塩が拔けると柔らかくなるので、時折さわって見極める。「冷たいけれど、絶対にアカギレにならないんです」と社長の片腕の福島さん。
4.一つ一つ、裏筋をって塩加減を確認する。
5.塩が抜けたら板ではさんで一晩おき、アクを抜いて平らにする。
6.ほどよく水分と塩分が抜けた状態。この時点で長さは30cmほど。これが最終的には15cmほどになる。
7.板の上に並べ、冷風を当てながら干す。
8.6~7週間干し、15cmくらいまでになったところ。あと1週間ほどで出荷。

最近ブームの生からすみ。コレ使える!

からすみがこれだけ高価なのは、適するぼらの卵が非常に少ないということと、膨大な時間と手間を要することが大きな要因だ。それが証拠に、キャビアからすみの異名で最近ブームとなっている生からすみは、1瓶 80gが2,500円と、意外や意外にリーズナブル。
生からすみとは、塩づけしていない真子を裏ごしし、塩4.5%で1~2週間エイジングしたもの。つまり干す手間がないのだ。キラキラと金色に光る卵を試食をさせてもらうと、舌にまとわりつく濃厚な旨みにうっとり。「確かに和製キャビアですね。あれこれ使えそうですね!」とテンションが上がるトモさん。
「いちばんお薦めの食べ方はなんですか」というトモさんの問いに、社長はとっておきの生からすみ醤油を伝授してくれた。それは、生からすみに醤油を混ぜ、好みでわさびや柚子こしょうを加えて調えるだけ。鯛や平目など、白身魚の刺身につけたり、和えたりすると、抜群。同じ発酵食品同士、チーズともよく合うという言葉に、「ハード系のコンテチーズとも合うんじゃない?」と、一層好奇心が掻き立てられる。東京に戻っての試作が楽しみだ。

渾身のレシピに乞ご期待!

からすみ

 

 

生からすみ

↓   ↓
     

風呂吹き大根のからすみ添え

 

からすみのスパゲティ 
サルデニア風

 

新じゃがのボッタルガ
マヨネーズサラダ

 

鯛のカルパッチョ
生からすみソース

From Producer
藤井 勝さん

「2000年以上の長きにわたるからすみの歴史の中では、日本の400年はまだまだ短いほうですが、繊細な使い方においては、世界のどこにも負けません。懐石料理の珍味としても欠かせないものです。でも、だからこそ、手の届かない高級なイメージを払拭したいと、1切れずつにスライスしたカットからすみを売り出しました。若い方もぜひ、召し上がってみてください」

Profile
昭和14年生まれ。日本経済大学卒業。日本三大珍味の一つであるからすみを、90%の日本人は食したことがないことを憂い、少しでも手軽に味わってもらえるよう、スライスしたカットからすみの販売を始める。また、食とは、幼い頃からの食体験が大切と、小学校の授業を1時間いただいてからすみの勉強会を行う。今後は、県内のからすみ製造業者へ向けてリーフレットなどを作成も検討中。

Tomo's Comment
「一番びっくりしたのが、からすみが、紀元前のギリシアで生まれたということ。人類の、食へのあくなき追求には、驚くばかりです。でも、私たちは、そうした、食いしん坊の先人のおかげで、おいしいものが食べられているのですね、感謝しなければ。そして、それを正しい方法で受けついでいる生産者のかたたちにも感謝です」

藤井からすみ店

長崎県長崎市北浦町1983-22

tel 095-836-0036

fax 095-836-1136
www.karasumi.co.jp


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    ●風呂吹き大根のからすみ添え
    ●からすみのスパゲティ サルデニア風
    ●新じゃがのボッタルガマヨネーズサラダ
    ●鯛のカルパッチョ 生からすみソース
    海産工房 梅元
    ●太刀魚のきゅうりソース
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    ●五三焼のココナッツミルクアイス

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