九十九島 天然牡蠣[白浜の岩場で牡蠣漁]

- Sasebo-city, Nagasaki

牡蠣というと、広島や仙台を思い浮かべるけれど、実は、東シナ海に面した長崎・佐世保も牡蠣の名産地。天然の牡蠣がとれる穴場があると聞いて、俄然、興味を示したトモさん。
というのも、幼いころから何度となく祖母の伊豆の家で夏休みを過ごし、素もぐりは名人級。もりで旬の魚を捕るなんていう芸当もお手の物。そんな“海女”魂に火がついた。

わあ、本物の牡蠣だ~。小さいけれど、殻の中においしそうな身がぎゅっと詰まってる。
バケツの中には軍手と牡蠣打ちが。道具はこれだけ。腕が勝負だ。
山口さんについて、磯へおりていく。海水の透明度が高いのが見てとれる。
岩にしっかりと殻が貼り付いている。頑固な様子がよくわかる。
足で押さえて、てこの原理で、牡蠣打ちの先端を入れて上へ引っ張る。

いざ、牡蠣とりへと、出発

待ち合わせをした、佐世保のパールシーリゾートから、車で山を越えて20分。ひなびた入り江にたどりつく。何人かの漁師さんたちが、牡蠣漁の権利を持っている。今日案内してくれた山口照子さんもその一人。牡蠣漁20年のベテラン。最初は、ただの岩場にしか見えなかったものが、山口さんに教わって、じっと目を凝らすと、ぺたっとはりついた牡蠣だと見えてくる。
先のとがった小さなつるはしのような道具を、はりついている牡蠣の先端に入れ、テコの原理で持ち上げると、面白いようにカクンとはずれる。そうしたら、海水でふり洗いをして、つるりとのどを滑らせる。
「海のミネラルが口いっぱいに広がり、幸せ!」
天然の牡蠣は、養殖と違い、あまり大きくならないのが特徴であり、また魅力。だから、そのまま食べるのが、なによりおいしい。でも、地元では、正月の雑煮にたっぷり入れるというのだから、なんとも贅沢。作り方は、熱湯に入れてあくをとったのち、白菜ともちを入れて雑煮にする。「そのお雑煮、ぜひ、食べてみた~い」と、トモさん。「じゃあ、正月にいらっしゃいな」と山口さん。

波一つない穏やかな入江。こんな美しい風景がいつまでも変わらないことを願う。
小さな殻にたっぷりと身が詰まった、見るからにおいしそうな牡蠣。
水面には小さな泡が無数に浮かんでは消えている。
「九十九島 地カキ」の問い合わせはアクトフォーまで。
長崎県佐世保市相浦町1563 tel 0120-366617

九十九島の牡蠣がおいしい理由

湾をよく見れば、ぴちぴちと音をたてながら、無数の小さい泡がうかんでは弾けて消えるのに気付く。それは、プランクトンが豊富であることの証だ。そんな栄養豊富な海でで育つ牡蠣だから、味のよさはいわずもがな。しかも、潮の満ち干で、海水につかったり、日に照らされたり、そうした条件の中で育つため、味に複雑さが増すのだそう。すっかり要領を得て、牡蠣とりのスピードも上がるトモさん。「でも、天然牡蠣は取り過ぎてはだめ。種牡蠣がなくならないように、残しながらとるのがコツだよ」という山口さんの言葉に「は~い」。
牡蠣とりに夢中になっていたら、砂浜の後ろの切り立った山でがさごそ音がする。よく見ると、うり坊を3匹連れた親いのししが覗きにきていた。以前は牡蠣など見向きもしなかったのが、漁師がとりこぼしたのを食べて味を覚え、今ではすっかり牡蠣好きのグルメいのししに。
「わたしたち牡蠣漁の、にっくき天敵ですよ」と笑う山口さん。
「へえ、牡蠣の味がわかるんですね!? あの鼻でぐいっと岩からはがすなんて、すごい」と、岩からはがすコツを覚えたばかりのトモさんは目を丸くする。
磯でとりたてを食べるのにはかなわないが、とれてすぐを消毒してパック詰めにしたものを航空便で送ってもらうこともできる。期間は11月~2月。レシピへの展開もそれまでお預け。

窓の向こうは一面の海。杭の上に一列に並んだかもめを眺めながらいただきま~す。
魚市場で仕分けされ、流通にのらない魚がもったいない食堂に届く。だから鮮度はどこよりもいい。
あじの刺身、ごま鯖の竜田揚げに、大根の煮付け、豚肉の炒めものに味噌汁。これで580円は感激!
佐世保港で水揚げされた魚が種類別に分けられて運ばれる。
魚の種類が豊富なのも佐世保港の特徴。

もったいない食堂で朝ごはん

帰りは、俵が浦の絶景ポイントで島の点在する九十九島の景色を眺めたのち、佐世保港の市場の中にある「もったいない食堂」へ向かい、朝ごはんをいただく。牡蠣が最高のアペタイザーとなって、すっかりおなかはぺこぺこだ。
“もったいない” とは、規定よりサイズが若干小さいかったり不揃いだったり、というような理由で、販売のラインにはのらないけれど、味はOK、そんな、従来は廃棄されてきた“もったいない”魚たちを利用して、おいしごはんを食べさせる食堂のこと。だから毎朝メニューは1種、しかも580円! その日のもったいない魚の状況による。本日は「鯖の竜田揚げ定食」。ごま鯖の竜田揚げに、大根の煮付け、豚肉の炒めものなど、料理自慢の主婦たちが丁寧に作る料理が心温まる。「ご飯山盛り、フライおかわり!」と、朝から食欲全開だ。

もったいない食堂
長崎県佐世保市相浦町1563
佐世保魚市場ビル内3F
tel 0956-48-8455

From Producer
山口 照子さん

「主人も漁師で、近場の海のことで知らないことはありません。私はもっぱら岩場で牡蠣やサザエ、海藻を採取しています。私たちが漁ができ、皆さんにおいしい魚介を届けることができるのも、このきれいな海があってこそ。種牡蠣を取り過ぎないといったようなことはもちろん、海を守り、次世代に残していくことは、私たちみなの義務だと思っています」

Tomo's Comment
「久しぶりに燃えたなあ~。子どものころ、伊豆の海でよく潜って、貝や魚、たこなどをとったことを思い出しました。でも、牡蠣とりは、初めての経験。頑固に岩に張り付いているのも、コツを覚えると、面白いようにはずれる。夢中でとってしまいました。東京では、決して食べられない、大自然の中での美味。貴重な経験でした」

「九十九牡蠣 地牡蠣」の問い合わせ先は
アクトフォー 佐世保支社へ

長崎県佐世保市相浦町1563

tel 0956-567666


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