淀川美代子が語るファッションとアート

- Contemporary Art Museum Kumamoto, Kumamoto

19世紀末ヨーロッパを代表するメゾン、ウォルトにはじまりシャネルやクリスチャン・ディオール、イヴ・サンローラン、ピエール・カルダンなど現代にも脈々と受け継がれてきたファッションの歴史。「ファッション―時代を着る」展では、京都服飾文化研究財団(KCI)の全面的な協力のもと、その世界に誇る貴重なコレクションの中からドレスをはじめコルセット、靴など約100点を展示しています。ヨーロッパのハイメゾンの作品、そして今最も注目されている日本の若手デザイナーの作品まで、変わりゆく時代の中でファッション・流行を生み出してきたデザイナーの洋服と歴史を、淀川美代子さんと辿ります。

「熊本で大規模なファッションの展覧会を見ることができるというのは、大変貴重なことだと思います。また、実際に洋服を生で見る体験はとても素晴らしいものです。美術館自体もとてもいい空間ですよね。カジュアル感がありながら、ジェームズ・タレルや草間彌生などの作品を見ることが出来る。ファッションはアート作品とは異なり、実際に街中で着るプロダクトとして作られています。しかし、アート作品のように美術館に並べても十分に価値のあるモノだと思います。

昨年、パリのプティ・パレ美術館で開催されたイヴ・サンローランの回顧展では、場内を真っ暗にする演出がなされていました。もちろん洋服にライトは当たっているのですが、空間全てがサンローランの世界観を表現していて、素晴らしい展覧会でした。今回は、様々なデザイナーを時代ごとに並べています。何百年も続く洋服の文化を時代背景とともに辿ることで、歴史の重みを感じます。さらにサンローランやシャネルなど、現存するメゾンの初期の作品が綺麗なまま保存されていて、今でも着たいと思うような洋服が数多くありました。

アートよりもファッションのサイクルは早く、時代とともにめまぐるしく変化しています。1970年代にヒッピーが流行し、再び注目をされるのには50年もかかりませんでした。振り返ると、1980年代はファッションが最も勢いがありましたよね。とはいえこの先何十年も経つと、2000年代のシャネルやプラダにもすごくいい作品があったと思うはずです。最近ではストリート系のファッションの方がモードよりも影響力を持っていますが、これからの時代はそういったストリートから生まれたファッションが残っていくのだと思います。

ファッションの世界はすでに出尽くしたとも言われます。そこで出尽くしていないモノを作ろうとすると、かえって変な洋服ができてしまう。ひねくれてしまって、普通に着ることができないんですよね。私はコレクション目的ではなく、リアルに自分が着たいと思うものしか購入しません。でも、着られないような実験的な服を作りたくなるのがデザイナーだとも思いますし、ショウでそういった服を見るのは好きです。

初めてディオールのコレクションを見たときは本当に感動して、生きていてよかったと心から思いました。ファッションは、人生観を変えてしまうほどの大きな感動を与えてくれるモノです。今までにないモノ、そしてリアルなプロダクトとしてのファッション。そのバランスを上手くとりながら、新しい世界観を生み出す若いデザイナーが出てくることを期待したいです」


「ファッション―時代を着る」展

会場:熊本市現代美術館 企画展示室Ⅰ・Ⅱ
熊本県熊本市上通町2番3号
tel 096-278-7500

会期:2010年6月25日(土)~2011年
   9月4日(日)

開館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)

休館日:火曜日(祝日は開館し翌日休館)
    年末年始(12/29〜1/3)

入館料:一般1000円、高・大学生500円、
小・中学生300円、熊本市・福岡市・鹿児島市内
小・中学生は無料

www.camk.or.jp


淀川美代子が語るファッションとアート

19世紀末〜1940年代のファッション

960年代〜80年代のファッション

ファッションの現在

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