19世紀末〜1940年代のファッション

- Contemporary Art Museum Kumamoto, Kumamoto

ファッションの原点:19世紀末〜20世紀初頭

19世紀末から20世紀初頭の最新の流行であった、細い腰から豊かなヒップへの曲線を強調するS字型のシルエット。ふんだんに使用されたレースは、装飾を好むネオ・ロココを意識しています。「当時の女性は必ずコルセットを身につけていました。洋服を保存することはアート作品よりも難しいのですが、状態が綺麗で素晴らしい。髪飾りまですべて同時代のモノ。100年以上も経っているのに、色もキレイです。レースなどの細やかな職人技は、写真では伝わりません。やはり実物を見てもらいたいですね」

写真左:作者不詳、デイ・ドレス、イギリス?、1903年頃
写真右:ウォルト、イヴニング・ドレス、レーベル:C. Worth、1902年頃


新しい時代の幕開け:1920〜40年代

女性の社会的自立が目覚ましく進んだ第一次世界大戦後、活動的な生活様式に適した洋服が求められました。フォード社の大量生産車「T型フォード」に例えて「新時代の女性のユニフォーム」と評されたシャネルが具現化。機能的な膝丈の簡潔なドレスが数多く登場しました。「シャネルのアンサンブルは、コートの袖の裏地まできちんと同じプリントが施されています。パターンも可愛いし、今でも十分に着たいと思う洋服です。ブレスレットやネックレスも素敵です。本物の石ではなく、イミテーションを用いてアクセサリーを作ることも非常に革新的でした」

写真左:シャネル、デイ・アンサンブル、レーベル:CHANEL 16424、1927年頃
写真左:シャネル、デイ・アンサンブル、レーベル:CHANEL、1927年頃

1930年代に活躍したエルザ・スキャパレリは、ダダやシュルレアリスムといった当時の美術運動から本格的に生産が始められた人工素材まで、最先端の技術とムーブメントを取り入れました。伝統的な模様などではなく、日常風景がプリントされているオートクチュールのドレス。権力の象徴や富の証ではなく、日常を描くという新しい試みがなされた時代です。

写真左:スキャパレリ、イヴニング・ドレス、レーベル:なし、1938年頃
写真右:スキャパレリ、イヴニング・ドレス、レーベル:なし、1937年頃

女性らしい曲線を生かしたドレスが流行した1930年代。とりわけマドレーヌ・ヴィオネが考案したバイアス・カットは、身体にフィットする細身のロングドレスの流行を牽引していました。その後、第二次世界大戦が集結し、質素だった女性のファッションの世界に、華やかで贅沢な素材を用いたファッションが再び登場します。「ニュー・ルック」で衝撃的なデビューを飾ったクリスチャン・ディオールによる、野性的な豹の毛皮とエレガントなシルエットが美しい作品です。「ヴィオネのドレスは、非常にドラマチックですね。今、レッドカーペットで着ていても遜色がない。また、オーダーできるヒールはとても面白いアイデアです。社交界でダンスを披露する時に、かかとを上げるダンスが流行っていて、ヒールが見せ所だったとか。今でも、こういった遊びをできるブランドがあればいいなと思います。ディオールのコート・ドレスは、現在でもよく見かけるシルエットですが、1940年代にすでにディオールが手がけていたわけですよね。ベルトのロゴも可愛いです」

写真上:左からモリヌー、イヴニング・ドレス、レーベル:MODELE MOLYNEUX 5,Rue Royal、1935年頃/マドレーヌ・ヴィオネ、イヴニング・ドレス、レーベル:なし、1930年頃/マドレーヌ・ヴィオネ、イヴニング・ドレス、レーベル:Henri Bendel inc.、1936年頃
写真下左:作者不明、ヒール、フランス、1925年頃
写真下右:クリスチャン・ディオール、コート・ドレス、レーベル:なし、1947年秋冬


「ファッション―時代を着る」展

会場:熊本市現代美術館 企画展示室Ⅰ・Ⅱ
熊本県熊本市上通町2番3号
tel 096-278-7500

会期:2010年6月25日(土)~2011年
   9月4日(日)

開館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)

休館日:火曜日(祝日は開館し翌日休館)
    年末年始(12/29〜1/3)

入館料:一般1000円、高・大学生500円、
小・中学生300円、熊本市・福岡市・鹿児島市内
小・中学生は無料

www.camk.or.jp


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