ファッションの現在

- Contemporary Art Museum Kumamoto, Kumamoto

日本人デザイナーの活躍:1980年代初頭〜現在

コムデ・ギャルソンのデザイナー、川久保玲は衣服により身体のフォルムを変容させる作品を発表してきました。センセーショナルなビジュアルは、「美しい身体のあり方」について着る人に問いかけています。また川久保とともにファッションの規範を破り続けてきた山本耀司。西洋の服を再構築することで、欧米での評価を得ます。また西洋的な視点で着物をモチーフにした作品では「ネオ・ジャポニズム」とも呼ぶべきトレンドを生み出しました。「近年の作品とコレクション映像が展示されていて、素晴らしい空間ですね。川久保さんと耀司さんは、日本人の感性をファッションで表現した人たち。ほとんどのコレクションを拝見していますが、改めてみるとそれぞれの作品のディテールやクオリティに感動します」

写真上左:コムデ・ギャルソン(川久保玲)、ドレス、レーベル:COMME des GARÇONS、1984年秋冬/コムデ・ギャルソン(川久保玲)、ドレス、レーベル:COMME des GARÇONS、1997年春夏/山本耀司、ドレス、レーベル:Yohji Yamamoto、1988年春夏/山本耀司、ドレス、レーベル:Yohji Yamamoto、1995年春夏、ほか。
写真上右:左からイッセイ・ミヤケ、トップ「プリーツ・プリーズ イッセイ・ミヤケ ゲスト・アーティスト・シリーズNo.1 森村泰昌」、レーベル:PLEATS PLEASE GUEST ARTIST SERIES NO.1 YASUMASA MORIMURA、1996年秋冬/イッセイ・ミヤケ、トップ「プリーツ・プリーズ イッセイ・ミヤケ ゲスト・アーティスト・シリーズNo.3 ティム・ホーキンソン」、レーベル:PLEATS PLEASE GUEST ARTIST SERIES NO.3 TIM HAWKINSON、1998年春夏/イッセイ・ミヤケ、トップ「プリーツ・プリーズ イッセイ・ミヤケ ゲスト・アーティスト・シリーズNo.3 ティム・ホーキンソン」、レーベル:PLEATS PLEASE GUEST ARTIST SERIES NO.3 TIM HAWKINSON、1998年春夏/イッセイ・ミヤケ、トップ「プリーツ・プリーズ イッセイ・ミヤケ ゲスト・アーティスト・シリーズNo.3 ティム・ホーキンソン」、レーベル:PLEATS PLEASE GUEST ARTIST SERIES NO.3 TIM HAWKINSON、1998年春夏
写真下左:左から渡辺淳弥、ブラウス、チュニック、パンツ、レーベル:JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS、1996年春夏/渡辺淳弥、ドレス、レーベル:JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS、2001年秋冬
写真下右:渡辺淳弥、ドレス、レーベル:JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS、2000年秋冬

ロサンジェルス出身のアーティスト、ジェームズ・ジーンによるイラストが全身にプリントされたプラダの作品やカラフルでデコラティブなルイ・ヴィトンなど、近年のコレクション作品が登場。さらに日本人の若手デザイナーの作品も展示しています。「ミウッチヤの時代になってからのプラダは本当に素晴らしいと思います。また、トム・フォードが手がけたグッチのダメージ加工のデニムに刺繍をするというアイデアは、最高にラグジュアリーですよね。これはアートピースとしても、十分にコレクションする価値のある作品だと思います。sacaiやアンダーカバーなどが無いのは残念ですが、きちんと若いデザイナーまで展示することはとても大切だと思います」

写真左上:左からプラダ、トップ、パンツ、靴、レーベル:PRADA、2008年春夏/ルイ・ヴィトン(マーク・ジェイコブス)、ドレス、靴、レーベル:LOUIS VUITTON、2009年秋冬/グッチ(トム・フォード)、セーター、スカート、レーベル:GUCCI、1999年春夏/クリスチャン・ディオール(ジョン・ガリアーノ)、ドレス、レーベル:Christian Dior BOUTIQUE PARIS、2001年春夏/クリスチャン・ディオール(ジョン・ガリアーノ)、ドレス、レーベル:Christian Dior BOUTIQUE PARIS、2001年春夏
写真右:グッチ(トム・フォード)、セーター、スカート、レーベル:GUCCI、1999年春夏
写真左下:左からまとふ(堀畑裕之・関口真希子)、シャツ、スカート、レーベル:matohu、2010年春夏/まとふ(堀畑裕之・関口真希子)、ベスト、ドレス、レーベル:matohu、2010年春夏/ミントデザインズ(勝井北斗・八木奈央)、ブラウス、スカート、アンダースカート、レーベル:mintdesigns、2010年秋冬/ミキオ・サカベ(坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン)、タンクトップ、パンツ、レーベル:MIKIO SAKABE、2011年春夏


淀川美代子が選ぶ ベスト5ルック

1. シャネル

CHANEL

1979年、イギリスで女性首相サッチャーが誕生し、男女平等という動きが現実のものとなり、女性たちの社会進出がスタートします。1980〜90年代、ガブリエル・シャネルが確立した「シャネル・スーツ」を、カール・ラガーフェルドは時流に沿ったミニ丈にデザインしました。「女性の自立運動から生まれたパワースーツです。この時代におけるミニ丈というのは、とても意味深いと思います。シャネルスーツは何着か持っていますが、なかなか普段に着るのは難しいんですよね。でもこうやって改めて見てみるとシルエットはもちろん、細やかなディテールまで完璧に美しく素敵です」

シャネル(カール・ラガーフェルド)、スーツ、レーベル:CHANEL BOUTIQUE、1990年秋冬

2. イヴ・サンローラン

Yves Saint Laurent

機能的な狩猟服を女性の街着に生まれ変わらせたイヴ・サンローラン。西欧の習慣として、厳格に男性用とされてきたパンツ・スタイルが、この時代から公の場でも着られるようになりました。「奇抜なデザインではありませんがコンセプトはもちろん、非常にエレガントです。サファリジャケットはサンローラン本人のアイコンモチーフでもあり、イヴ・サンローランにとって全盛期とも言える時代の作品。実はELLEなどの雑誌から切り抜いた、サンローランのスクラップブックを持っているんです。そのスクラップが、私がファッション関係の仕事をしたいと思った原点ですね」

イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ、サファリ・スーツ、レーベル:SAINT LAURENT rive gauche PARIS、1968年春夏

3. クレージュ

Courreges

オートクチュールにミニ・スカートを持ち込んだクレージュのドレス。当時の流行のシンプルなAラインに大きめのジッパーやボタンをあしらうことで、宇宙ルックとよばれる近未来の世界観を表現していました。「プラスチックやジッパーなどを使い、アンドロイドのような雰囲気も感じさせます。この時代のクレージュにインスパイアされるデザイナーも多い。個人的にとても好きな作品です」

クレージュ、ドレス、レーベル:Courrèges Paris 40351、1967年頃

4. ジュンヤ・ワタナベ

JUNYA WATANABE

渡辺淳弥は、服には使われない工業素材や高性能のハイテク素材を積極的に取り入れ、あらゆる素材をフラットに扱うことで新しい素材表現を生み出しました。また素材のみならず、パターンやカッティングにもこだわり、企業や大学の研究所などでリサーチを重ね、服の造形的な美しさを追求しています。「ウールにビニールなど異素材をミックスしていながら、非常に完成度の高い作品です。最近はリアルクローズに近づいていますが、この時代の実験的なジュンヤはとても面白いと思います。実際に着てみたいなと思わせる可愛いさもありますよね」

渡辺淳弥、ドレス、レーベル:JUNYA WATANABE COMME des GARÇONS、2001年秋冬

5. クリスチャン・ディオール

Christian Dior

ジョン・ガリアーノがデザインしたクリスチャン・ディオールの作品。迷彩柄の軍服としての「強さ」を絹のドレスで表現しています。1990年代以降、ストリートやサブカルチャーなどの影響がハイファッションにも多く見られるようになりました。「このコレクションの写真を見た時、本当にビックリしました。迷彩をドレスに使うという発想には衝撃を受けました。今まで見たコレクションの中で、最も忘れられない作品です」

クリスチャン・ディオール(ジョン・ガリアーノ)、ドレス、レーベル:Christian Dior BOUTIQUE PARIS、2001年春夏

「ファッション―時代を着る」展

会場:熊本市現代美術館 企画展示室Ⅰ・Ⅱ
熊本県熊本市上通町2番3号
tel 096-278-7500
会期:2010年6月25日(土)~2011年9月4日(日)
開館時間:10:00~20:00 (入館は19:30まで)
休館日:火曜日(祝日は開館し翌日休館)、年末年始(12月29日〜1月3日)
観覧料:一般1000円、高・大学生500円、小・中学生300円、熊本市・福岡市・鹿児島市内小・中学生は無料
www.camk.or.jp


特集展示「matohu 慶長の美」

会場:井手宣通記念室
料金:無料

若手デザイナーmatohu(まとふ/堀畑裕之、関口真希子)による、
長着を中心にしたミニ展示。


「ファッション―時代を着る」展

会場:熊本市現代美術館 企画展示室Ⅰ・Ⅱ
熊本県熊本市上通町2番3号
tel 096-278-7500

会期:2010年6月25日(土)~2011年
   9月4日(日)

開館時間:10:00~20:00(入館は19:30まで)

休館日:火曜日(祝日は開館し翌日休館)
    年末年始(12/29〜1/3)

入館料:一般1000円、高・大学生500円、
小・中学生300円、熊本市・福岡市・鹿児島市内
小・中学生は無料

www.camk.or.jp


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