波佐見の町のいろいろな楽しみ

Higashisonogi-gun, Nagasaki

車で回れば30分ほどの小さな町だが、400年間を焼き物に捧げてきた証としての遺跡や資料館などがことのほか多く、のどかな景観とともに、それらをのんびりとめぐるのも波佐見の楽しみのひとつだ。

やきもの公園

世界の窯広場。煉瓦造りの窯は中国の国のもの。

1996年に炎の博覧会を記念して作られたやきもの公園の「世界の窯広場」には、古代から近世にかけての世界を代表する12の窯が再現されている。最も古い「野焼き窯」を山上に配し、東に中国や朝鮮半島、日本など東洋の窯を、南にオリエントやイギリスなど、ヨーロッパの窯を、時代が下がるにつれて下のほうへ配置している。古くから陶磁器を作ってきた世界各国の窯の形状や様式を、焼かれた器や当時の生活を想像しながら、のんびりと見て回るのは楽しいものだ。

 

波佐見町陶芸の館

やきもの公園の一角に、「波佐見町陶芸の館」がある。1階は、「くらわんか館」の名前で、波佐見焼を中心に、特産の食品やお茶、民芸品を販売している。2階には、波佐見の歴史を伝えるくらわんか碗やコンプラ瓶の展示のほか、精巧に作られた絵付師ロボットによる、磁器のできるまでのデモンストレーションがあり、迫真の演技?には度肝を抜かれる。中でも年代順に並んだくらわんか碗のコレクションは、日本でも有数。見逃せない。

上:昔の棚板。焼き物を重ねて焼けるように作ったもの。
下:中尾山伝習館の陶芸教室では、年に何度か登窯を使って焼成する。交代で薪をくべながら、2日がかりで焼成する本格的なもの。なかなかできない体験だ。
 
心洗われるほどに美しい鬼木棚田。

鬼木棚田

山裾から山の中腹へむけて、幾重にも折り重なって棚田が続く平和な景色は、思わず声を上げたくなる美しさだ。日本の棚田100選にも選ばれた、由緒正しき景観。毎年9月23日には、「鬼木棚田祭り」が開催され、個性豊かなユニークなかかしたちが迎えてくれる。

 

旧波佐見尋常高等小学校講堂

波佐見尋常高等小学校の正面玄関。現在は登録有形文化財の認定を受けている。

昭和12年に建築された波佐見尋常高等小学校は、昭和初期の希少な大型木造瓦葺洋館だ。尋常小学校として使用されたのち、戦後の学制改革を経て、中央小学校講堂兼公会堂として引き継がれた。今日唯一残った、九州の木造公共施設として、貴重な存在だ。丁寧に作られたシンメトリーなデザインが美しく、歴史の重みを感じていると、「僕も通った母校なんですよ。だから、国の登録有形文化財の認定を受けて嬉しかったですね。思いでの詰まった空間が大切に保存されるわけですから」との堀江さんの言葉に、一層輝きを増したように見えた。

 

有田屋

時が止まったかのようにひっそりと佇むレトロな構えの一軒家。その「有田屋」で作られるちゃんぽんを、波佐見の町の人たちはこよなく愛している。たっぷりの野菜やかまぼこを細切りにして手早く炒めてスープを加えて沸かし、あくを打ち込んだ長崎独特の麺にたっぷりかけて仕上げる。麺をズッとすすって、スープをごくりと飲めば、それはもう、誰もが幸せになれる優しい味だ。ごくありふれた日常の料理を、丁寧に的確に作ると、こんなにも上質な味になるのかと思わせられる、元気をもらえる店だ。

上:有田屋の、素朴で心温まる店内。
右上:魚介と野菜のだしがたっぷり出て、心に染み入るおいしさのちゃんぽん。
右下:昭和の昔に建てられた、風情たっぷりの外観。
 

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