いか道楽[活きたまま空輸]

- Karatsu-city, Saga

呼子の朝市を散策

知名度で言えば、呼子のいかも、有明の海苔に負けていない。そして呼子といえば、朝市。海沿いの一本道に、魚介、揚げ物、肉、野菜など小さな店がずらりと並ぶ様が楽しく、まずは散策。おばちゃんたちとの掛け合いも賑やかだ。いかの干物がそこ、ここで売られていて、ひときわ呼び声も高く、やはりここはいかの町だと、実感。時間に余裕があったので、町の突端にある重要文化財の「鯨組主中尾家屋敷」も見学した。江戸時代の勇壮な鯨漁の記録が興味深い。

上左:いかの町、呼子ならではの記念の1枚。
上右:道端に台を持ち出し、とれたての魚を並べて売る、魚屋さん。逃げ出したたこが、地面を這っている!
下:名物の海産物加工品店。自慢はもちろん、いかの一夜干しとみりん干し。
左:常に豊富な海水が供給されているいかの専用プール。海水が時計周りに周回。右:元気よく泳ぐいかを取り出して見せてくれる社長の宮本さん。身が透き通っている。

いか道楽のいか人気

さて、いかは鮮度が命。おろしたばかりのいかのおいしさを全国に届けたいと、生きたままいかを輸送することを思いついた名物社長がいると聞いて、さっそく訪ねてみた。玄界灘で揚がる新鮮そのもののいかを、活造りにして食べさせる人気割烹「いか道楽」の社長・宮本幸治さんその人だ。夏場は剣先いか、冬場はあおりいかを主に扱う。水揚げ量では、北海道に負けるけれども、一杯一杯を刺身にする量といったら、北海道をはるかにしのぐそうだ。200人は入る店内が、GWともなれば、朝から大行列。「1日で1000杯を刺身にするとよ」と、社長も豪語する。
人気もさることながら、それだけいかを供給できるのは、専用の水槽を備えるなど、設備が整っているからこそ。バックヤードに案内してもらうと、海水をはって、時計周りにいかが旋回しているプールが5つ。活きたまま海から届けられたいかが、隊列をくんでぐるぐると旋回している様は壮観だ。

上左:特殊加工の袋を取り出し、海水といかを入れる。上右:袋を熱でシールドする。
下左:酸素をパンパンに注入し、用意は万全。下右:発泡ケースに入れて、空輸便で送る。

活きているまんまの空輸作戦

なにしろ、いかという生き物は、魚類のなかでも非常に足が速い。命を絶った直後から身質の変化が始まり、甘みや旨みが激減するとか。逆に、生きていさえすれば、現地で食べるのと遜色ない美味しさが楽しめる。おろしてすぐの、コリコリとした食感と品のいい甘みを、なんとしてでも全国の消費者のもとへ届けたいという悲願から、活きてるまんまのいかの空輸作戦を思いついたのだ。魚のように活け締めというワザは使えないが、逆に、エラ呼吸をしないというところに目をつけ、少量の海水と24時間分の酸素とともに運ぼうと目論んだ。「骨がないから根性がはいっとらんが、しっかりせい!」と社長も気合が入る。いくつものメーカーをあたり、最終的に、大阪のエンジニアとの共同開発で、特別な強度を持って酸素を逃さない袋を開発した。いかと海水を入れ、24時間生きるための酸素を注入し、二重ロックをかけて、発泡ケースで運ぶ。こうして生きたままの輸送を始めて7~8年、好評だ。
「わあ、すごい! 生きたままのいかが届くなんて、びっくり仰天ですね。でも、扱いはどうしたらいいのでしょう?」とトモさんも興味津々。
いかが届いたら、袋を縦にして切り、ボウルに水を移し、袋にイカを入れたまま4~5分放置する。最初のころは元気よく暴れるが、次第にぐったり疲れてくるので、それからおろすといい。袋から出した直後にさわると、スミをはきやすいので注意、とは社長からのアドバイス。これで、いか1杯2500円+送料。東京であれば4000円前後で生きているいかが届く。時空を超えた鮮度への対価だ。

いかのおろし方を習う

割烹の厨房に戻り、いかのおろし方を改めて教えてもらった。何万杯とおろすなかで行き着いた、最も早くて合理的なおろし方だ。「これ、賢い! 覚えて帰らなきゃ」と、習うほうも熱が入る。

1.まず、両耳をつまんで持ち、甲に沿って刃を入れ、手で開く。そして内臓、墨袋を取り出し、足を切り離す。

2.タオルなどでつかんで、一息に皮をむく。店では片方の手には軍手をはめているので、すべらず皮がむけて、数をおろすには効率的。そして、さっと水洗い。ここで洗いすぎたり、ごしごしふくと甘みが逃げてしまうので、注意。

3.内側に縦に隠し包丁を入れてから、表に返して5mm幅に切ると、身が反らずにお造りにできる。

「いままでの半分くらいの時間でおろせますね」。と何杯か繰り返して、トモさんも納得。
さて、自分でおろしたもの、板前さんにおろしてもらったものを盛り合わせ、わさび醤油でいただく。「うーん、コリコリ、甘い! これぞ、鮮度の恵みですね」。

上:両耳をつまんで持ち上げ、耳のつけねを甲に沿って、切り目を入れる。
中:切り目を開き、ワタや墨袋を取り除き、皮をむく。
下:内側に縦に隠し包丁を入れて身が丸まらないようにし、5mm幅の横に切る。いか1杯を姿のまま盛りつけたところ。身が透き通っているのがよくわかる。

渾身のレシピに乞ご期待!

いか

       
↓        
       

いか、大根、根みつばのサラダ

 

 

 

 

いか道楽

佐賀県唐津市呼子町加部島海岸通り
tel 0955-82-5539
fax 0955-82-5439


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